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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2008年2月22日

アメリカンドリーム 其の二

前回からの続きです。

ものづくりを諦めたアメリカ、マーケティングの出来ない日本

70~90年代、アメリカは日本の製造業の猛烈な追い上げにあって、逃げ場を探した。BRIC諸国の追い上げによって、今、日本は同じような立場にいる。製造業志向の『ものづくり』から変身しなければ、日本に未来はない。

ポイントは、「顧客資産」・「ブランド力」と「マーケティング」だ。ものづくり現場では、些細なカイゼンを積み重ね、コストダウンをし、マーケティングをしたたかに行えば、未来は明るい。

先日訪問した、アメリカでも同じようなことを何度も聞いた。そもそも「ものづくりの前に」にマーケティングが存在しているのだ。いいものを作ったから、さて売ろう。このスタンスでは、勝ち残れない。

製造業が強い日本、サービス業が弱い日本、そもそもそれらの違いは何か。

モノの問題

-現場の対応策で解決する
-詳細なマニュアルを作り、従業員はマニュアルに忠実に従う能力が重要
-従業員は組織に忠実である必要がある。
日本人の性に合う感じがします。

ヒトの問題

-顧客によって異なる反応、問題の標準化が難しい
-原理原則、概念を示したガイドラインに基づいて、従業員一人ひとりが創造力・自己裁量で対応。
-正解がひとつでない。

ある高級ホテルチェーンでは、クレーム対応に個人の判断で上限20万円まで自由に使ってよいという例もある。

そう、サービス業で重要なことは、マニュアルなしでも顧客対応できる仕組みである。
→顧客本位(これがマーケティング)


マーケティングとは

買い手と売り手のインセンティブが一致するような仕組みを創造すること

例えば、
営業部門-既存の商品やサービスを売ること
マーケティング部門-買いたいと思う商品/サービスを提供すること

(参照)
コトラーのフレームワーク・・STPの戦略、4Pの戦術
フィリップ・コトラー・・・現代マーケティングの第一人者
このフレームワークを理解すれば、MBAは修了できるとか、できないとか。。。?
ちなみに、4Pは、product, price, promotion, placeです。

では、顧客とは

利益を生むのは、商品ではなく顧客である。→マーケティングは経営の要
顧客から長期的に収益を得ることが重要である。ここで下記の用語が登場する。

-顧客生涯価値(CLV)
-顧客資産(カスタマー・エクイティーCE-customer equity)


カスタマー・エクイティーのマネジメント

-顧客ライフサイクルの管理
-データベースの活用
-顧客価値の数値化(優良顧客とネガティブ顧客)
-顧客獲得費、顧客維持費、追加販売の最適なバランス

日本では、差別を嫌う傾向にあるが、優良顧客がより収益に結びつくという側面から考えると、長期的にはより平等で効率的といえる。長期的な視野で企業・組織のパフォーマンスを考えるべき。

チャレンジ(挑戦できるか?)

-自分自身の領域を技術やカテゴリーで定義していないか。プライドなど捨ててしまえ!!
-顧客が欲しいものをオファーする努力をできるか。
-ネットワーキング、アウトソーシング、提携の可能性を探っているか。


ブランドとは(見えないものである)

トータルパッケージとしてのブランドを考えよう。DELLコンピュータでは、提携により、プリンターやデジカメも販売しているが、エプソンなどアウトソーシングをパッケージにして、DELLブランドをパッケージ化している。

日本には、世界の4大バイクメーカーが存在しているが、大型バイクというカテゴリーでは、いわゆるアメ車的な、「ハーレー・デイビットソン」がシェア・ナンバーワン!

ハーレー社長曰く、

「ハーレーはバイクを売っているのではなく、ハーレーを所有するライフスタイルを売っているのだ」

マーケティングで、なぜ、カスタマー・エクイティー(顧客資産)やブランド力が必要なのか、やはりそれには背景がある。昔はこんなことはなかった。そうだ、そのとおりだ。でも現在は、もうその昔ではないようだ。

カスタマー・エクイティーマネジメントの背景

-情報技術が利用可能となった。(会員カードにより顧客情報をデータベース化)
-コミュニケーション手段の低コスト化
-洗練された統計モデルの開発
-柔軟な実行システムの登場

ブランド・エクイティーマネジメントの背景

-供給過多、成熟した消費社会
-消費者行動学、心理学の発展
-インターネットの登場(消費者相互利用、クチコミなど)

カスタマー・エクイティーに向くビジネスは..

-顧客と直接取引する
-顧客との長期的関係が重要
-多くのサービス業やBtoBビジネス
(金融、保険、通信、小売、医療、運送、コンサルティング)

ブランド・エクイティーに向くビジネスは..

-顧客との距離がある。
-第3者が仲介する
-「個客」データが入手困難
多くの(日常・耐久・贅沢)消費財ビジネス

*消費財とは

最終ユーザーが個人や家庭で使用するために買うものすべてが消費財です。具体的には冷蔵庫やテレビ、衣服や食品などがあります。しかし、それらがホテルや病院など業務用に使用される場合は中間財や生産財になります。




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