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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2008年2月29日

オンリーワンになろう

昨日は、アカデミック木曜日、行ってきました「ものづくり寄席、千秋楽」。来週からもうありません。いいプログラムだったので、少し寂しくなります。

千秋楽ということで、5人のパネラーによる大喜利。テーマは、

・アジアの中での日本企業のあり方
・企業の中でのヒトづくり


いまさら、オンリーワン? いや、これは、一過性の流行言葉ではないんじゃないかと思い始めています。長いけど、読んでみて下さい。

アジアの中での日本企業のあり方

グローバル化が進み、グローバル化なくして経済成長なし。つまり、国内消費のみの製品だけでは生き残れなくなってきた。よく聞く話だが、グローバル化がもたらしたものは、世界規模の流通だ。ヒト・物・金・情報がかつての常識・障壁を飛び越えて、現実的に流通している。これにより、何が起こったか。それは、国際分業が進んだのだ。どういうことかと言うと、「得意なところで得意なものを作る」という適材適所ネットワークが進んだ。大学で経済原論を学んだ方は聞いたことがあると思うが、経済学者デヴィッド・リカードが唱えた、比較優位論があるが、それが今本当の意味で現実化している。(当時は帝国主義の道具として使われたのみだった。)

ここで、どの国と組むのかという相性が非常に重要になってくる。日本とは、タイ、台湾、トルコがよいといわれている。


企業の中でのヒトづくり

物我一如
"もの来たりて心あり、心帰してものにあり"
道元(1237)「典座教訓(てんぞきょうくん)」

道元は昔中国留学したが、偉い坊さんの説教を聞いても、どうしても悟りを開くことが出来なかった。悩んでいた道元、典座(てんぞ)という料理人のおっさんと雑談中、"もの来たりて心あり、心帰してものにあり"と聞いた。道元は、

はぁ~っ

これだーっと思い、悟りを開いたとさっていう話。

どういうことかというと、物(サービス)に気持ちをこめろってこと。このものづくり寄席のヘッドの藤本先生はこう言い切った。

「進化する工場以外日本にいらねぇ」

藤本先生はこう続ける。
「何のためにやっているのか」、(日本の生活レベルを維持するには)安いものをつくるためにやっているんじゃない。(中国とは違う)いいもの作る以外日本に未来はない。そのために、経営者は、進化するために何%の正規職員が必要かイメージせよ!「正規職員で進化する工場を作るのだ!!」

最近の若者は、労働市場の流動性を背景にスキルアップをして、自分の市場価値を高めようと必死だ。自分もそう思っている。どこでも通用するスキルを磨いて自分の市場価値を高めたい。その上で、自分の適性年収は?なんて気になったりもするが、自分の領域の労働市場が成熟するということは、会社から言えば、代わりはいくらでもいるということなり、「わたしはいつでもやめていいです。」と言っているようでもある。会社の犬にならなくてもいい自由な身とも言える。しかし、本当に市場価値を高めることが幸せなのだろうか。一部のことに専門的であるだけでは、その分野でナンバーワンにならなければ、給料は市場価値できまり、いつまで経っても一緒だ。そして、成熟した(世界規模の)労働市場からみれば、自分の代わりはいくらでも探すことができる。それよりも、今居る会社の環境の中で、会社用にカスタマイズされた能力によって辞められては困る存在を目指したほうがいいのではないだろうか。

「♪NO.1にならなくてもいいもともと特別なOnly one♪」

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~「異動させにくい人材」になることこそ、急務~(無料会員登録が必要みたいです。)


では、会社のものづくり組織能力を支える人材像とは何か
それは、
・戦略のわかる(お金勘定できる)技術屋と
・設計のわかる(技術者と話ができる)事務屋である。

「良い流れをつくること」これが一番大事。高い給料の正規職員でスイスイと消耗戦のレッドオーシャンをしたたかに勝ち残れる会社。

「良い流れをつくる」ために、IT技術者じゃなければ出来ないとか、そういうことではない。自分の頭で考えて、どうしたら良い流れになるのか、ヒトの流れ、物の流れ、例えば、職場のレイアウトを変えるだけで、空気の通しがよくなり、コミュニケーションがよくなって、それが良い流れにつながるかもしれない。自分たちの問題は、自分たちで考えよう。自分の専門とその周りの関係を遠くから冷静に見て、調整する能力、本当に必要なのは、プロデューサー人材なのだ。



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