2008年3月14日
理由
宮部みゆきの「理由」を読んだ。現代日本人が抱える心の負が複雑に入り組んで、様々な形で水面下で巨大化していく。現代人のこころをリアルに描いているだけに、この小説の中の事件は、フィクションと単に割り切ってしまうには、想像力が足りていない。
電車のプラットホームで、帰り道の公園で、あるいは、職場のあのヒトは、なぜそこにいるのか、なぜ、あんなことしているのか、それは小説文庫本一冊分になるくらいの「理由」がある。
どういうわけか、この本を読むのに長い時間を要した。700ページ近かったこともあるのだが、主体となる人物がルポ風に次々と替わって行くため、ストーリーに入りにくかったかもしれない。しかし、それを差し引いても、一読の価値はある。というか、直木賞受賞作です!!
- by editor
- at 19:15
編集長のおすすめの一冊!2010
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