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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2008年5月14日

ゴールベースシナリオ(GBS)理論と教育

最近、大学院で学んでいるものの中にゴールベースシナリオ(GBS)理論というものがある。GBS理論は、現実的な文脈の中で「失敗することにより学ぶ」経験を擬似的に与えるための学習環境としての物語を構成していくものだ。

GBS理論提唱者のシャンク教授が言うには、ハーバード大学やフロリダ大学で学んでいるような学生はどんなことからも学習することが出来るという。学校教育は画一的で、生徒別違う習熟度に目を背け学習を進めていく。当然、ドロップアウトが出るわけだ。しかし、何かが解かるというのは、誰にとっても喜びであり、誰もが平等に有する権利であるはずだ。

学校は、カリキュラムや時間の制限により、一般的な生徒からそれを奪う、あるいは奪おうとしている。シャンク教授それが許しがたかったという。

それで、興味とは何か、それは、現実的なものだとGBS理論の中で提唱する。

シャンク教授のインタビューは非常に興味深い。

 

 教育というものは、学習者が興味をもっていなければ成り立たない。例えばあなたに、「それじゃあ2次方程式の公式を勉強しましょう」と言ったら、あなたは「2次方程式の公式なんて知りたくない。そんなもの興味もない」と答えるだろう。教師としての私の仕事は、あなたがそれをどうしても知りたくなるぐらい興味をもつようにしむけるか、それができなければ教えないと決断することだ。

 興味というものは無駄にするにはあまりにももったいない。例えば私の息子は小さい頃、今も変わらないのだが、地下鉄に興味を持っていた。彼が17歳のとき、東京に連れて行ったんだが、彼は決して地上に上がろうとしなかった。すごく興奮していたよ。私はそこで、「興味を無駄にしたらもったいない」と気づいたんだ。息子は地下鉄が大好きだった。それなら、私だったらそれを題材にして教える。「ダメだ。それよりこれを見に行きなさい」とは決して言わない。夢中になっているものがあるなら、どんどんそれを追求すればいいんだ。

 地下鉄であれ何であれ、興味をもてることに関連付けてたくさんのことを教えられる。それこそがGBSコンセプトだ。君が地下鉄に興味があるなら、地下鉄と関連付けて物理を教える方法を見つけてあげる。数学や歴史を教える方法をみつけてあげる。もし地下鉄に興味があるなら、都市社会や経済についても学びたいんじゃないか?例えば東京の地下鉄に興味がありながら、「東京の人々がどこに住んでいて、なざ動き回っているのか、労働状況はどうなのか、何時頃に出勤するのか、就労時間はどうか」など興味をもたないはずがない。地下鉄には、まさに全世界が内包されているんだ。
 
 根本的に興味のない事柄に無理やり目を向けさせる必要はない。なぜ興味を持つべきなのかを示してやればよい。例えば、地下鉄のことをよく知りたかったら経済学を無視できない。その二つは複雑に関係し合っているんだから。まあ要するに、興味のある題材を使って、世界の全てを教えようということだよ。それがGBSというものだ。

個人の習熟度にカスタマイズして教育する、その答えは「オンライン」だ。

とのことだった。実際、米国のあるオンライン大学は、通常の大学で学ぶより3倍以上の学習時間を要するという。グローバル化が加速する21世紀は、どの大学を出たかより、スキルのあるものが職を手にする時代が来るだろう。

ゴールベースシナリオ(GBS)理論の適応度チェックリストの開発



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