2008年6月 5日
対岸の彼女
角田光代著、第132回直木賞受賞作「対岸の彼女」を読んだ。
地球温暖化、原油高、食料高、材料高、高齢者社会など様々な問題が山積していて、日本は、あるいは自分は、あと何年このような豊かな暮らしが出来るだろうかと不安になる。ハァ。
そんな大きな問題も不安だが、身近な問題で言えば、人間関係も問題だ。学校、部活、サークル、職場、人が集まるところに全て人間関係がついてくる。こじれると面倒くさい。人と会うのが億劫になる人もいるだろう。閉ざされた環境にいるならば、逃げ出したくても、逃げ出すことは出来ない。
主人公はある日逃げ出した。逃げて、逃げて、そして最後に辿り着いたのは。
どこへもいけなかった。
だけどあたしたち、
どこへいこうとしていたんだろう。私たちはなんのために歳を重ねるのだろう。
おもしろいっす。
この小説を最後まで読み終えたとき、
誰もがきっと静かな感動の中でこう思うだろう。
自分も前へ進もう、と。
森 絵都氏(解説より)
- by editor
- at 07:59
編集長のおすすめの一冊!2010
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