2008年7月 8日
不毛地帯
山崎豊子著の「不毛地帯」を読んだ。元日本陸軍のエースが敗戦後、ソ連にシベリア送りにされ物理的な不毛の地で11年間酷使される。帰国後、子供たちは、あまりの哀れな姿に成り果てた主人公を「お父さんじゃない」と言われショックを受ける。
第2の人生は、軍とは関係ない道に進もうと商社に入社する。商社のスピードと文化に戸惑いを感じながら過ごし、自分は不適格ではないかと不安になる。主人公は後に才能を開花させるわけだが、商社前は、日本のエースだった男でさえ、シベリアでのブランクがあったにせよ、新しい組織や文化で働くには普通に戸惑うものなのだ。
商社での主人公のライバルとの激闘、部下や社長との人間関係の不安、日本の政治や経済の文化的な戸惑いなどがうまく描かれており、読者はどんどん小説の世界に引き込まれていく。
面白いっす。
- by editor
- at 19:39
編集長のおすすめの一冊!2010
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