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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2009年1月 3日

ダンスダンスダンス


村上春樹著の「ダンスダンスダンス」を読んだ。年始早々睡眠時間を削ってでも読み続けたい小説に出会えたのはラッキーだ。

「初読書に初ラッキー」と声に出してみようと思ったがやめた。

主人公の気持ちや抱えている背景が「羊をめぐる冒険」から引き続きなので、読んでからのほうが面白い。ちなみに、この「羊をめぐる冒険」もかなり面白い小説だ。

村上春樹の小説は「喪失と再生」というテーマで一貫性があって、彼の代表作を読めば読むほどそれぞれの小説の深みを味わうことができる。

自分の存在意味はなんだろう、意味のあることはなんだろう、現実の世界、高度資本主義、マテリアルワールド、便利であること、不便であること、人と人とのつながり、自分と世界との繋がりを結ぶものは何か、繋ぎ止めて置くもの何なんだろうか。

物が溢れる日本で、みんないったい何に不安を感じているのか、リーマンショックによって世界金融危機は高度資本主義によって起こるべくして起こり、それでも高度資本主義はまた姿を変えて、システムは動き続けていくのだろうか。

人の体は、脳によって制御されている。脳は脳だけでいろんなことを考え、満足だとか、うれしいとか、悲しいとか、人の感情は脳が判定する。しかし、身体への刺激は脳にも影響し、相互が繋がっている。身体で感じられる現実世界と脳の中の意識、つまり向こう側の世界。人の脳は進化しすぎたのだろうか。こちら側の世界で自分の位置を確認する方法は何か。人の存在や位置は、人との関係の中で、相対的にしか確認できないような気がしてならないのです。考えれば、考えるだけ哲学の深みへと誘われそうな深い小説です。自分にとってのホーム。それが重要で、それがあればきっと幸せなんだ、と私は思います。

余談ですが、この小説でホノルル、箱根と舞台が移り変わります。最近どちらも行ったので、その情景がイメージできるのってなんだか心地いい感じです。




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