2009年4月14日
納棺夫日記
第81回アカデミー賞外国語映画賞受賞した「おくりびと」の始まりとなったのが、青木新門著の「納棺夫日記」だ。
「やるなら、全く別の作品としてやってほしい」との青木の意向を受け、『おくりびと』というタイトルで、『納棺夫日記』とは全く別の作品として映画化。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
映画の内容と重なる部分もあるが、主には著者が納棺夫として、死に向き合った経験から世界観を展開している。幸福とは何か、それは生死を超えところから論じている。
心に残ったのは、正岡子規の「病床六尺」からの引用で
「悟りということはいかなる場合にも平気で死ぬることかと思っていたのは間違いで、、悟りということは如何なる場合にも平気で生きていることであった」
という言葉が実感としてわかるようになった。一瞬一瞬を大切に生きていこうと思った。
手を伸ばせば届く程度に前を行く人がもっとも頼りになる。その人が前にいるだけで、安心して進める。
右肩上がりの高度経済成長を遂げ、成熟社会を迎え、物質的に満たされた日本の現代社会に一つの指針を示す小説ではないかと思った。
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- by editor
- at 23:11

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