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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2009年5月28日

Always on the side of the egg - 村上春樹氏エルサレム賞受賞スピーチ

IQ84が本日から発売となった。先行予約で48万部あったというのだからすごい。内容は本人の意向で明らかになっていない。今日テレビで村上春樹の評論家によると彼の小説のジャンルは「都市小説」という、都会が抱える社会問題の影を背負った青年が、お酒、恋愛、ファッションなどを織り交ぜて自分の存在価値をさぐるものだという。確かにそうだ。村上春樹の小説は一貫して「喪失と再生」のテーマで、個人がどうやってシステムという壁につぶされずに生き抜くのか。

2009年2月、村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチは非常に勇気のある行動だ。行動する小説家。ガザ地区に爆撃している政府の責任者がいる前でこのスピーチを行ったのだ。非常に高いリスクを伴った行動でその勇気は賞賛に値する。その覚悟が、現れた名文章です。是非ご一読ください。

私は今日、小説家、つまり、うそを紡ぐプロとして、エルサレムにやってきました。
 

 もちろん、うそをつくのは小説家だけではありません。ご存じのように政治家もうそをつきます。外交官や軍人も時々独特のうそをつきますし、中古車のセールスマンや肉屋、建築業者も同様です。しかし、小説家のうそはほかと違います。小説家がうそをつくのを不道徳だと批判する人はいません。それどころか、そのうそがより大きく、完全で、巧妙であればあるほど、大衆や評論家に称賛されます。なぜ、そうなのでしょうか。
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出典:yomiuri online 読売新聞

In English

"Between a high, solid wall and an egg that breaks against it, I will always stand on the side of the egg."

Yes, no matter how right the wall may be and how wrong the egg, I will stand with the egg. Someone else will decide what is right and what is wrong; perhaps time or history will decide. If there were a novelist who, for whatever reason, wrote works standing with the wall, of what value would such works be?

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quoted by YOL 読売新聞



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