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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2009年7月16日

三河屋さん的なサービスを実現するには

次世代のコミュニケーション&マーケティングをテーマにしたイベントに参加してきた。基調講演は時事通信社編集委員の湯川鶴章氏で非常に興味深い内容だった。

この「きめ細やかな対応」を著者は「三河屋さん的なサービス」と呼ぶ。長谷川町子の漫画『サザエさん』に登場する酒屋さんである「三河屋さん」は、磯野家宅に出入りし、磯野家の家族のことをよく知っている。「台所には酒や醤油がどの程度残っているのかも、だいたいは目処がついている」(同、p.44)ので、最適なタイミングで、最適な商品を勧めることができる。


出典:@IT自分戦略研究所ブックシェルフ

きめ細かなサービスは、まだGoogleでも一部までしか完成させていない。それは検索連動型広告だ。ウェブ解析、CRM、広告配信そしてメールマーケティングを連動させれば、三河屋さん的サービスが実現させることができるという。

WEB解析で、購入直前でやめた顧客に、翌日にamazon的メールマーケティングで、同商品を20%OFFのメールを打つなどだ。

よく聞く人間の根源的な欲求は3つだといわれている。
1.表現したい(おいしいラーメンをつくりたい)
2.評価(お客においしいと言われたい)
3.つながり(お客と信頼関係で結ばれたい)
これらを解決できるのが、インターネットなのだ。

これまで、メディアは、従来型一方通行メディア→デジタルメディア→ソーシャルメディアと変化していくだろうと予測し、ソーシャルメディアというのが、人間の根源的欲求を満たす最終形態であろうと予測する。SNSを携帯電話で使いこなす10代の若者はすでにソーシャルメディアを使いこなしている。それ以上の年代は、従来型の一方的なメディアに慣れてきた。いざ、ソーシャルメディアのミクシィという箱を渡されても、自分発信をするひとは少ない。現在成功を収めているウィキペディアも最初の一年は、誰も投稿する人がいなく、困ったという。その解決策は、wikiという投稿者間の表現・評価・つながりを刺激する仕組みが解決したのだ。

では、お金と時間を持っている団塊の世代をどのような仕組みでソーシャルメディアに巻き込んでいけばいいのだろうか。これを解決するアイディアをもつ企業が第2のGoogleになれるだろうと言う。具体的な活動をしているのは、モバゲータウンの株式会社ディー・エヌ・エーと会員クラブの雄のクラブツーリズム株式会社とのコラボレーションで生まれました「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」だ。完全に団塊の世代を意識したSNSになっている。

また、面白かったのが、デジタルサイネージ(注)だ。最近スーパーなどでよく見るデジタルサイネージだが、店舗での広告が、購買意欲に直結するので、現在もっとも注目浴びている広告媒体だ。広告はインターネットでサーバに直結しているので、午前に複数あった広告の中で、一番売れた広告のみを午後に流すといった、リアルタイム・マーケティングが可能なのだ。POSや各種データと連動させ、さらにサイネージとモバイルを連携させることができるなら、強力なマーケティングツールになる。深く言えば、サイネージにセンサを取り付けて、顔認識をし、男性・女性・年代を判別した上で、広告を打つことも米国では行われているというのだからすごい。

また、モバイルの例で、先進的なのは、マクドナルドのモバイル・クーポンで、レジの行列での待ち時間を無駄にしないようにモバイルクーポンでお客に注文を携帯電話で入力、あとは電子マネーをかざすだけで、従来のカウンター業務と待ち行列時間を大幅に削減しただけでなく、午前中にもっとも売れたクーポンに午後は狙い撃ちするなど、ここでもリアルタイムマーケティングが行われているというのだからすごい。

三河屋さん的なサービスを目指そうとするとどうしても、効率が邪魔をしてきましたが、インターネットの各種サービスを連動させることによって、鮮やかな顧客サービスを提供することが可能になるのです。

部分的には、今すぐできそうだなと思えてくるからすごい。

注)

デジタルサイネージ(Digital Signage)とは、表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や情報を表示する広告媒体である。



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