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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2009年12月 9日

「メルマガ × マーケティング」セミナーに参加してきました

流通ジャーナリスト金子哲雄さんのセミナーに参加してきました。金子さん、来年消えてほしいジャーナリストランキングで6位に輝くほど一般視聴者の評判はイマイチらしい(本人談)ですが、トークの切れ味は最高で、ここまで会場を沸かしつつためになる情報を提供してくれたセミナーは最近では記憶にありません。まさしく目からうろこ。自分的にはマーケティングというのは、深い哲学とかそういうのは必要なくて、どれだけ移り変わる消費者の心を掴むのかという本当はやわらかい内容なのです。とはいえ人の心を掴むのが一番難しいテーマという事実もありますが。たとえばモノを売るビジネスにおいては、より多くの人を動かした組織が勝つのです。そこに深い論理があろうがなかろうがです。

最近デフレでモノが売れません。そして日本社会は成熟し、モノの代替品が溢れています。なので、その商品でなければダメだ、というモノはめったにありません。そこで生き残りをかけた熾烈な価格競争に陥るわけですが、そこから脱却するにはどうしたらいいのか、ここに頭を使わなければなりません。

(例1)
家電量販店、最近エコポイントなどで勢いを増しています。薄型テレビなどデジタル放送への切り替えを狙って大幅値下げをして目玉商品になっています。ところがこれはほとんど利益が無いそうです。ではどうやって儲けているか。それは、薄型テレビとブルーレイレコーダーを繋ぐケーブルを定価で売って利益を確保しているんだそうです。薄型テレビを価格.comで比較検討する人がいるかもしれませんが、ケーブルを比較検討する人は少ないんだそうです。

(例2)
ファミレスのドリンクバー。ミラノドリアが290円なんて店がありますが、それで経営が成り立つんでしょうか。実はこれではほとんど利益があがりません。これは私の推測ですが、このミラノドリアは塩味が効いていて喉が渇きます。そうするとドリンクバーでドリンクを飲みたくなるのです。ドリンクバーはがんがん飲まれたら困るじゃないかと心配するかもしれません。実は、その逆で、飲めば飲むだけ仕入れ単価が下がるという契約があるらしく、実は1杯8円くらいで損益分岐点らしく、そうすると20杯飲まなければもとはとれない仕組みになっているんだとか。

ここで何がいいたいかというと、集客商品と、収益商品のバランスが重要だということです。このバランスが絶妙になると企業は最高益をだすという経験則があるようです。ちなみに、食品業界では6:4ともいわれているそうです。

ここで重要なのは、「お金を使うきっかけ」を作るということです。上の例だと、ミラノドリアに塩を振る⇒のどが乾く、という具合です。東京マラソンという3万人参加し、応援者は15万人にも上るスポーツイベントがあります。コース沿道の飲食店は当初商売あがったりだといって、東京都に営業補償をうったえたそうです。ですが、結果は、一日で合計2.8億円の売り上げになったといって一同大喜びだったという話もあります。

Amazonの成功例で見られる、「関連商品を売れ!」という鉄則もあります。消費者が次に何がほしいのか、これを買いませんかということではなく、こんな商品ありますよと提案するのがいいでしょう。

また、最近いいのが、「縁起物」です。このカレーを食べたらいいことありそう、あのチキンを食べると楽しい、健康になった気がする、といったちょっぴりお得感が成功の秘訣かもしれません。



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