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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2010年5月 9日

社会関係資本と募金 -職場の飲み会編

おかげさまで、「千歳JAL国際マラソンを4時間14分で完走するぞ!」という募金活動、目標金額を達成することができました!!募金してくれたみなさん、ありがとうございます!!

以前「JustGivingでフルマラソンチャレンジ!!」というエントリーをお知らせしました。3月15日にこのファンドレイジングのチャレンジを立てて、本日5月9日に募金目標金額を達成しました。このJustGivingという仕組みはイギリスで成熟したもので、世界最大の市民マラソンレースであるロンドンマラソンでたくさんの寄付を集めています。「それぞれのゴール」目指して、誰かのために走る。その人のために寄付を募るということが文化的に行われているのです。

社会というシステムはそれ自体が自転しているよう動いていますが、そこには民主主義では政治を通して社会に参加できることになっています。大勢の人が居て自分ひとりの一票では社会は何も変わらないのではないかとついつい政治的無関心になってしまうのですが、それはそれで、それぞれの生活は自分を中心に動いています。インターネットやテレビで世界や日本の遠いところの出来事を知ることはできても、それを自分の目を通じて、体験することはやっぱり難しい。テレビやインターネットを介して得た情報には、温度がありません。とても優れた役者やスピーチが人の心を打つことはありますが、それでもとても感度の高い人に限定されるでしょう。

これはマスメディア、つまり一方からの情報を受信しているからです。近年ツイッターに代表されるブログやSNSはソーシャルメディアといって、個人的に関係の深い人からの情報は、その関係の深さに温度が決められる。このJustGivingという仕組みは、その社会関係資本を利用した募金の仕組みです。職場の飲み会で上司は何もいわず多めにお金を払ってくれます。これは社会関係資本が蓄積されているところで見られる現象で、そういうところでない職場は一緒に飲みに行くこともないでしょう。ノミニケーションは、職場のストレス発散や情報収集、そしておいしい・楽しいという要素が加わって、上司は部下よりも多くお金を出してやるか(=寄付)という気持ちになるのだと思います。

つまり、自分の帰属意識のあるコミュニティに何かしらの課題・問題意識を解消してくれる、あるいは解消してくれそうなプロジェクトには、日本人に寄付文化がないという言うけれど、実際は寄付しているのだと思うのです。このJustGivingの仕組み、とてもよく出来ています。チャレンジャーの皆さんも単にチャンレンジすればお金が集まるというのでなくて、どんな課題があって、それを自分と関係の深い方に、その課題を理解してもらうということが重要なんだと思います。みんながそういう意識でやれば、日本でも寄付の文化は作れる!と思うのです。


社会関係資本とは

基本的な定義としては、人々が持つ信頼関係や人間関係(社会的ネットワーク)のこと、と言って良い。上下関係の厳しい垂直的人間関係でなく、平等主義的な、水平的人間関係を意味することが多い。しかし、この語には実に多様な定義があり、以下の Portes(1998)の文献によれば、共同体や社会に関する全ての問題への、万能薬のように使われている言葉だが、1990年代終わりからは学会外でも社会的に有名な語となった。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



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