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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2010年6月27日

自分の組織に適したプランは何か -東アジア通貨危機から学ぶ

僕の職場ではプロパー職員の他に外部から複数年契約で専門的なスタッフを招いて一緒に仕事をしています。その他コンサル会社からプロジェクトごとにコンサルタントが入り、さらには特定の業務を外部から業務委託として職員が派遣され、事務などは派遣会社から派遣社員が来ており、さまざまなバックグラウンドをもった方たちで構成されています。細かい作業から、営業の最前線、さらに企画の中心までプロパーの職員以外の方で仕事をしているのです。一昔までは考えられませんでした。

外部のプロフェッショナルな人たちは経験もあり専門知識も豊富、頭もいい。しかし、彼らの提案がすべてうまくいくわけではありません。やはり環境や人間関係、職場全体の雰囲気や協力関係、さまざまな要素が絡み合い、プロフェッショナルな方々のいた環境が暗黙の前提で提案された至極まっとうな提案だけが正解ではありません。プロパーの職員は、彼らから学び、いろいろな条件を勘案して、自組織に適したプランは何か、判断する力を身につけなければなりません。

僕は今、「途上国の開発政策」という放送大学の科目を学んでいますが、11章の「東アジア通貨危機を申告にした原因」で示唆にとんだ内容が記載されていました。

1994年にメキシコで発生した通貨危機は、アメリカとIMFの対応で収拾しました。1997年にタイ・韓国で発生した通貨危機では、IMFの同じ対応でしたが事態はさらに悪化し、飛び火したインドネシアでは暴動や民族浄化を掲げた争いにまで勃発し社会不安にいたりました。その背景には、IMFが事態収拾するための融資案に対して、インドネシアの対策が不十分と厳しい指摘を続けたため世界の投資家がインドネシアからお金を引き上げてしまい、さらに経済が悪化し、悪循環に入ったという背景がありました。IMFはアングロサクソンモデルには融資するが、東アジアモデルは厳しく批判するという態度がありました。一方マレーシアは自国で考えて、アングロサクソンモデルには逆行した資金流入を規制し、低金利政策を続け、世界のメディアから厳しい批判を受けました。結果は、それによる景気V字回復をとげ、必ずしもアングロサクソンモデルだけがどこにでも通用する絶対的回答ではないことが証明されたのです。その後、タイなどの金融危機も追随しましたが、それに対する批判はかつてほど大きくなかったといいます。

経済学的に最先端の理論と先進国で成功しているモデルが自国に最適化、発展途上国のブレーンが自分で分析し、自分の組織に適したプランを実行することがどれだけ重要か。結局、先進のプランを採用しても、IMFは責任を取ってくれません。最終的に責任を取るものが必死に考えて自分で決断しなければなりません。

僕の職場にもたくさんの先進的な知識をもつ外部の方がたくさんいます。でも数年でいなくなります。自分の職場に長くいたい人は、10年後、20年後のことを考えた判断が求められているのです。常識と教養、あとはそれを実行する勇気が必要ですね。



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