2010年7月11日
影響力があるということには無責任でありたい -ザ・ソングライターズ
NHKの番組「佐野元春のザ・ソングライターズ」を見た。ゲストは、Mr.childrenの桜井和寿さんで、むちゃくちゃ面白かった。桜井さんがどういう視点で、物事を見ているのか少し共有できた気がする。歌というのは、言葉を扱う職業で、その言葉から単に響きやメロディーだけではなくて、香りや温かさまで伝えることを大切にしているようだ。会場からの学生の質問に対する回答が印象的だった。
Q.影響あるミュージシャンとして、生きるとか傷つけるとかいう言葉に責任を感じることがありますか?
桜井さん
影響力がある、僕の歌で影響力を与えるということから無責任でありたいと思っています。僕から出てきた歌が、その詩を通じて共感でき、それが間接的に・結果的に誰かにいい影響を与えられたらいいと思います。
なんか、これを聞いて僕は救われた気がしました。表と裏があってそれが人間。よい面も悪い面もひっくるめて愛おしいと思いたい、とも桜井さんは言っていました。タガタメの「子供達を被害者に、加害者にもせずに」の部分です。
現在僕は中間管理職ですが、いろんな人が僕に「影響力があるんだから」と接頭語をつけて、いろんな注文を付けてきます。当然リーダーの仕事はやりますが、僕にも良い面もあるし、悪い面もある。影響力があるから仕事をしているのではなくて、やりたいことがあるから仕事をしています。そのプロセスを通じて、誰かにいい影響を与えられたらいいと思えば、少し楽になった気がするのです。
なんとなくですが、影響力を与えてやろうして詩を創っても、長く愛される詩にはならないんじゃないかと思います。桜井さんの中から滲み出たようなそういう歌を聞きたいっすね。
- by editor
- at 11:24
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