2010年10月23日
21世紀に生きる君たちへ - 司馬遼太郎記念館に行ってきました。
「坂の上の雲」、「竜馬がゆく」、大河ドラマで司馬遼太郎作品がテレビで人気だ。でも、もっともっと前から司馬遼太郎は日本人に、歴史上の人物をとおして語りかけてきた。
先週は大阪出張で帰りの時間までちょっと空きがあったので司馬良太郎記念館に行ってきた。僕のもっている竜馬がゆくの巻末には「司馬遼太郎記念館へご招待」という広告がいつもあった。僕は司馬遼太郎の代表作しか読んでいない。いや代表作も読みきっていない。30代半ばになった僕は、新聞をはじめとするメディアを通じて、小説や書籍を通じて、そして仕事やプライベートを通じてお会いする方々の人生観を通じて、ちょっとだけ社会の仕組みがわかりかけてきた。そんな時期の大阪出張。頭によぎった「司馬遼太郎記念館へのご招待」という言葉。惹きつけられる様に、近鉄奈良線「八戸ノ里」駅に降り立った。
徒歩で10分。ここは住宅街で、こんなところに記念館があるのか、来場者らしき人は歩いていない。迷ったんじゃないかと心細くなったころに安藤忠雄氏が設計された建物が姿を現した。
21世紀に生きる君たちへ
君たちは、いつの時代でもそうであったように、自己を確立せねばならない。
-自分に厳しく、相手にはやさしく。 という自己を。
そして、すなおでかしこい自己を。21世紀においては、特にそのことが重要である。
21世紀にあっては、科学と技術がもっと発達するだろう。科学・技術が、こう水のように人間をのみこんでしまってはならない。川の水を正しく流すように、君たちのしっかりした自己が、科学と技術を支配し、よい方向へ持っていってほしいのである。司馬遼太郎
大阪書籍「小学国語」より抜粋
館内はまるで図書館。膨大な書籍に囲まれている。司馬遼太郎がそうであることを愛したように、そこにいると歴史上の人物が来場者に語りかけてくるような荘厳でそして悠久な時間の流れを感じることができる。そんな空間で、「21世紀に生きる君たちへ」という司馬竜太郎のメッセージ。言葉無く、ただただ何度も読み返した。上の文章は抜粋。是非一度全文を司馬遼太郎記念館で読んでほしい。僕の心をとおりこして、魂に訴えかけてくるような強いメッセージだ。
帰りに「21世紀に生きる君たちへ」を買って帰ったら、奥さんが昔僕のために買ってくれたものがあることが発覚。どんなにすばらしいメッセージも結局は受け取り手の僕の問題。手元において1年に一度は読み返したいですね。
司馬遼太郎の書斎
- by editor
- at 12:05
編集長のおすすめの一冊!2010
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