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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2011年9月24日

テンプル大学のファンドレイジング -スチュワードシップ

いつかは会うなと思っていましたが今回の旅行で会えるとは思っていませんでした。テンプル大学でファンドレイジング8年、それがかわれてassistant vice presidentになった方とじっくりお話しする時間を頂いた。それは面白かったです。ヨーロッパの大学からもたくさん視察に見えているとのこと。テンプル大学はもうファンドレイジングが主な収入源となっているというからすごい。州立大学なのだが、州からの補助は10%にまで落ち込んでいるという。ほとんど私立大学だな。

まず基本的なことから。
President・・・Externalなお仕事。主にファンドレイジング。
Provost・・・Internalなお仕事。主にアカデミック、ファカルティに関する。

$1B(780億円)がオペレーション予算(運営費)
$140Mが研究費
$700Mが施設建設費
→2020までに寄付で3分の1を集める計画らしくすでに半分以上集めているというのだからすごい。

施設費はランニングコストがかかるがどうしているのか、と聞いた。

簡単でOverheadだ。大学では税金と呼ばれていて、テンプルでは13%。多い大学では30%とるところもあるそうだ。これはどんなプログラムにも課される。あらゆる収入にだ。たとえばサマープログラムで短期の学生コースもそうだし、当然研究費にも取られる。意外に安いなと思った。多分IVYリーグなどはもっとすごいのだろう。

寄付についてもオーバーヘッドを取るのかと聞いた。

目的指定の寄付については取らない。大きくなればなるほどGift agreementを結ぶ。そして何年にも渡っての寄付が通常で、タイミングが非常に大事なのだ。そこからは内部のリーガルオフィスが不動産の扱い、会計士による税金のチェック、法務による文書作成などが担当するそうだ。

ファンドレイザーは何人いるか

140人。ペンシルベニアは350人。ハーバードは500人だそうだ。この140人はトータルの数字で、学長のためのファンドレイザー、学部長などのファンドレイザーもいる。この数字は広義の数字で、具体的には、秘書、DBオペレーター、コミュニケーションオフィサーだ。

狭義にファンドレイザーをここではコミュニケーションオフィサーとして、彼らはどのようにキャリアアップするかというと、まずは、$25000以下のアニュアルファンドを担当する。シニアになると$1Mクラスになり、$50M以上は学長の仕事だ。大きな大学になればなるほど、学長は忙しくなるので、学長に会えるための額は上がる。


ファンドレイザーとして成功する人はどんな人か

ファンドレイジングには大学のメニューがある。たとえば科学者向けならばChairだ。キャリアステージよっても金額が違うだろう。また一般向けにはやはり学生の奨学金だ。

Good listenerは成功しないだろうという。ドナーのニーズと大学のニーズをバックアンドフォース、バックアンドフォースだ。その過程で、リーガルオフィスによる税金のアドバイスなどを経て、満足してもらう。またもらった寄付がどのように使われているか、運用益はどうなっているかのEndowment recordsをつけた手紙を書くのも重要な仕事だ。奨学金ならば、奨学生とドナーとのランチをセットし必ず手紙を書いてもらう。そこには学長なども参加してもらう。こういう地道な努力が大事なのだ。

またコミュニケーションの中で子供がいることが分かったら必ずアプローチする。寄付とは継続的なものなのだ。


バックアンドフォース、バックアンドフォース。これがスチュワードシプよ。


これがスチュワードシップかぁ、と感嘆した。




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