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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2012年4月10日

イギリスの休眠口座活用案 -Big Society Capital

4月4日英紙報道によると、キャメロン首相はチャリティへの投資を促進するため600百万ポンド(約780億円)ファンドを発足することを発表した。この600百万ポンドの内訳は400百万ポンドが休眠口座の活用、200百万ポンドが金融界からの投資という。同首相は世界初のチャリティ投資マーケットを作り、かれが掲げるBig Societyというコンセプトの最初の一例にしたいようだ。このBig Society Capitalは、チャリティがお金を借り易くし、福祉労働プログラムや、囚人の再定住プロジェクトなどのパブリックセクタープロジェクトで利益を出せるようにし、これらを運営する団体を勇気付けることにある。さらに政府は事実上このようなプロジェクトで効率的に運営をできる団体は限られていて、その委託先が限定されていることがいつも争点となるので、それを回避したい狙いもある。

このBig Society Capitalは寄付マーケットではない。あくまで借りて返す仕組みで、その返済利子は通常より安く設定される予定だがそれでもチャリティにとってはとても高いと指摘されている。また、このBig Society Capitalで運用して、このマーケットを作ろうとする目的は誰もが賛成するが、結局は運用のためとはいえ、(投資)銀行へお金が流れる補助金のようで、本来の社会的目的で使われるという点から言えば、そのようになっていないのではないかとも言われている。さらには投資としてチャリティの性格上潜在的高いリスクがあるなかで、このファンドがお金を無駄にしてしまうのではないかと危惧する声がある。

今後の動向に注目したい。

Cameron launches £600m fund to promote charity investments the Independent 4th April 2012



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