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  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2005年1月30日

蛍の墓

時期外れだけど、「蛍の墓」を見た。そろそろ学校で日本文化紹介を定期的に始めようかなと考えていて、その一環としてこの映画を見せようと思ったからなんだけど、放映する前にもう一度自分でも見直してみることにした。最後に見たのはいつ頃かなぁ。10年前くらいかなぁ。。
10年前に見た映画をもう一度見るって結構いいかもしれないって思った。全然印象が違う。昔の自分は、映像やその場の会話とかに夢中になってストーリーとかあんまり分かってなかったんだろうな。最近では、この他に「風の谷のナウシカ」を見たけど、この映画はすばらしい。昔と変わらず楽しめた。

「Grave of fireflies」これが英語のタイトルです。
今回も長いです。暇つぶしにどうぞ。

10年ぶりに見た「蛍の墓」。2日経ってその内容をようやく消化できてきた。見ている最中や見終わった直後はとても暗く、悲しく、もどかしい気持ちになり、これをジャマイカで見せたって、ただ暗い気持ちにしてしまうだけで、下手したらそういうことも異国の文化では分かってもらえるかな?と、これをこの時機には不適切だな『やめよう』って思った。050129fireflies.jpeg

ストーリーをおさらいしておくと、2人兄妹の話で、兄セイタ、妹セツ子が第二次世界大戦終戦間際を必死に生きていくって話で、セイタはおそらく中1くらい、セツ子は4歳から6歳くらいだと思う。父は海軍兵で、母と最初は一緒に暮らしていたが、空襲により失ってしまう。海軍兵の父とも連絡がつかず、唯一の親戚の家でお世話になるのだが、所詮よそ者、だんだん煙たがられる。その家にも居づらくなって家を出て、二人暮らしを郊外の人が寄り付かない防空壕ですることにしたのだが・・・
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10年前と違って見えたのは、親戚のおばさんの存在だ。すごく嫌な存在だった。なんて嫌なことを言うのかと思っていた。だけど、今回は違った。おばさんの言い分には一理あるなぁと(やさしくないけど)。戦時中の食料・物がない時の反応は、こんなもんだよなぁって(だけど、言い方とか、心配して後から探しに来てくれてもいいと思うんだけど)。現代でだって子供が二人で生きていけるほど現実は甘くはない。もっている食料もすぐに底をつき、結局ドロボーをして食をつなぐことになる。働けよ(怒)って思うんだけど、食べれなくなると人間、安易な方向に行ってしまうんだなぁって、あとはセツ子を長い間、一人ぼっちにさせられないって思ったのかも知れない。たぶん、セイタはきっとお父さんとすぐ連絡がついて、それまでの辛抱だって思ってたんだろうけど。だから、泥棒で捕まったところをセツ子に見られたときは、セイタから悔し涙が止まらなかった。こんなはずじゃないんだって。
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その後、おばさんの家に戻れって忠告を受けたが、結局戻らなかった。生きていく唯一の方法だってその時はたぶん、気づかなかったのかも知れない。セツ子は栄養失調でどんどん弱っていき、その最中に日本の敗戦と父親が戻らないことを知る。防空壕に戻るとセツ子もまた。。。050129drop.jpeg

セイタがプライドを捨てて、おばさんの家に戻っていれば、セツ子は死なずに済んだのに、とか見終わった後はそう思ったんだけど.....自分には出来るだろうか。この映画、展開が速い。母親の死、セツ子の死とかにあまり焦点を当てないようにしている。そのため、セイタやセツ子にどんな心理的影響を与えているか分かりにくい。ただ、幸せだった家庭で突然母親を失い、帰る家すら失ってしまったらどんな気持ちになるだろう。町全体が焼け落ち、目標も行き場も無くなってしまったら、何をすればいいのだろう。いったい、そんな子供に何ができる?なんで、家族がどんどん減っていってしまうのか?なんでドロボーをしなくちゃいけないのか?、なんでセイタやセツ子は死ななくてはならなかったのか?戦争って悲しすぎる。政治的宗教的なことから戦争は始まる。巻き添えになるのは善良な一般市民なんだよなぁ。050129futari.jpeg

もしこのジャマイカで、日本文化をある程度紹介できたとして、そもそも父親や母親がいないジャマイカ人、拡大家族つまり親戚と生活を共にする彼らに、嫌味なおばさんの言動はどう写るだろうか。盗みや物乞いが普通に行われるこの国で、セイタの行動やあの悔し涙はどう写るだろうか。自分はまだジャマイカを知らな過ぎる。

今回も最後まで読んでくれてありがとう。
最近考え過ぎ?きょーへーほどじゃないはず(笑)



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