2008年9月 2日

進化しすぎた脳

池谷裕二著の「進化しすぎた脳」を読んだ。脳科学の一般向け入門本で、中高生でもわかるように簡単に説明できるので、これ一冊読めば人間の脳とはどんな働きをしているのか、わかった気になれる。

人間の脳はよく、ほとんど能力を使いこなせていないというけれど、著者は将来予期せぬ環境の変化に適応できるように、今の環境より「進化しすぎている」のだと前向きに捉えている。


印象的だったのは、記憶があいまいなのは、記憶力が弱いせいだけではなく、脳が「あいまい」に記憶する機能を持っているからだという。

たくさん覚えないとならないものの共通点を見つけて、一般化・抽象化して記憶しようとするメカニズムなのだ。そして、抽象化したものを他の事象に応用して世の中を理解しようとするのだ。

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2008年8月17日

クライマーズ・ハイ

堤真一主演のクライマーズ・ハイを見た。1985年8月12日に起きた日本航空123便墜落事故を追う新聞記者とデスク、新聞社のお話だ。史上最悪の事故に立ち向かう地方新聞社がその存在意義、例えば新聞の販売、広告など運転資金獲得という現実的な問題と、新聞は地元の人がもっと欲しい情報を届けるべきだ、地方新聞として全国紙と差別化をどうはかるべきか、かつて栄光を手にした上司とこれから新しい時代に向き合わなければならない世代との衝突は、崖っぷちをザイルを使って一歩づつすすむような、スリリングで緊張感のある映画です。

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2008年8月16日

君について行こう


向井千秋(宇宙飛行士)の夫、向井万起男著のエッセイである。奥さんが宇宙飛行士を目指し、宇宙に行くまでが描かれている。どういう人が宇宙飛行士になって、どういう厳しい道のりを歩むのか面白おかしく描かれていて好感をもてる。庶民的な内容に仕上がっていて親しみやすいが実は著者はお医者さんというそのギャップも感心する。


向井千秋

日本人女性として最初の宇宙飛行士。慶應義塾大学医学部卒。医学博士

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2008年7月 8日

不毛地帯

山崎豊子著の「不毛地帯」を読んだ。元日本陸軍のエースが敗戦後、ソ連にシベリア送りにされ物理的な不毛の地で11年間酷使される。帰国後、子供たちは、あまりの哀れな姿に成り果てた主人公を「お父さんじゃない」と言われショックを受ける。

第2の人生は、軍とは関係ない道に進もうと商社に入社する。商社のスピードと文化に戸惑いを感じながら過ごし、自分は不適格ではないかと不安になる。主人公は後に才能を開花させるわけだが、商社前は、日本のエースだった男でさえ、シベリアでのブランクがあったにせよ、新しい組織や文化で働くには普通に戸惑うものなのだ。

商社での主人公のライバルとの激闘、部下や社長との人間関係の不安、日本の政治や経済の文化的な戸惑いなどがうまく描かれており、読者はどんどん小説の世界に引き込まれていく。


面白いっす。

2008年6月25日

バンテージ・ポイント

デニス・クエイド主演、ピート・トラヴィス監督のバンテージ・ポイントを見た。アメリカの人気ドラマ『24』(トゥウェンティ・フォ)のようなスピード感があってテンポも良い。あっという間に時間が過ぎて、振り返ってみても印象に残らないような、そんな映画で、暇な夏の夜に鑑賞するのならいいのでは。


普通です。

2008年6月 8日

最高の人生の見つけ方 -The Bucket List


ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン主演。『最高の人生の見つけ方』を見た。様々な我慢や諦めを抱えて、生きてきた。余命6ヶ月を告げられた主人公たち。苦しみ、落ち込む。共通の悩みを抱え、正反対の生き方をした主人公たちが、「棺おけリスト」(死ぬ前にやりたいこと)をつくり、冒険に出る。そして、旅に出て気づく。本当に最期にやらなければならないことを。

まぁまぁ、おもしろいっす。

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2008年6月 5日

対岸の彼女


角田光代著、第132回直木賞受賞作「対岸の彼女」を読んだ。

地球温暖化、原油高、食料高、材料高、高齢者社会など様々な問題が山積していて、日本は、あるいは自分は、あと何年このような豊かな暮らしが出来るだろうかと不安になる。ハァ。

そんな大きな問題も不安だが、身近な問題で言えば、人間関係も問題だ。学校、部活、サークル、職場、人が集まるところに全て人間関係がついてくる。こじれると面倒くさい。人と会うのが億劫になる人もいるだろう。閉ざされた環境にいるならば、逃げ出したくても、逃げ出すことは出来ない。

主人公はある日逃げ出した。逃げて、逃げて、そして最後に辿り着いたのは。

どこへもいけなかった。

だけどあたしたち、
どこへいこうとしていたんだろう。

私たちはなんのために歳を重ねるのだろう。

おもしろいっす。

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2008年5月29日

菜の花の沖


司馬遼太郎著『菜の花の沖』(全6巻)を読んだ。司馬遼太郎の作品は、「竜馬がゆく」、「坂の上の雲」、「燃えよ剣」を読んだが、この「菜の花の沖」が一番面白かった。これまでの作品もどれも面白いが、今にして思えば、ようやく司馬遼太郎の意図がつかめる年齢になったということかもしれない。

本作品は、江戸時代後期の廻船業者、高田屋嘉兵衛(たかたや かへえ)の一生を描いた作品だが、商品経済の光と影が農耕中心だった江戸の社会にどのようにインパクトを与えたか、その物流によって人々の暮らしはどうなったかなどが描かれていて非常に興味深い。現在のグローバリゼーション社会にいる我々現代人にとっても全く古くない話にも思える。

また、異文化を超えて分かち合う価値観のようなものも語られていて、ジャマイカで2年ボランティアとして過ごした自分にとって非常に影響を受けた作品だ。自分的には、いろんな人に是非読んで頂きたい作品だと思う。

2008年5月 3日

うた魂♪

「うた魂♪」を見た。夏の香りがする映画だ。太陽と田舎の風景が妙によく、シーンの切り替わりが絶妙なので、笑いの「間」まで楽しめるコメディだ。合唱のシーンは迫力があるので、劇場でみるとより楽しみが増す。

本編とずれるが、主人公とそのいじめっ子役の小学生時代の回想シーンがあり、その子供の歌っているシーンが一番好きだ。映画終了後も「フニクリ フニクラ」が頭から離れない。ちなみにこの「フニクラ フニクリ」は「鬼のパンツ」に替え歌されている。

フニクラ フニクリってどんな歌?
聞いてみる

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2008年5月 2日

The Great Debaters

移動中の飛行機の中で、The Great Debatersを見た。先行上映で日本ではまだ公開されていない。

心の底に沈む僅かな希望に光をあて、引き上げてくれるような感動の作品だ。

Debateとは「討論する」という意味だ。アメリカではディベートといい、日本ではなじみがない。ディベートとは、2つのチームに分かれ、与えられたテーマの賛成意見のチーム、反対意見のチームに分かれる。相手の意見を良く聞き、矛盾点を探し、そこを突いて自分のチームの意見を論理的に審査員あるいは聴衆に納得させる競技なのである。

当然、優劣、勝ち負けが決まる。しかし、勝ち負けがすべてはない。本当は、どこまで真実に近づけるか。ただ、時代は、少年たちに勝つことだけを要求した。自分たちの存在意義を賭けて。

「敵は誰だ?」

敵はいません。それは、自分の意見の反対意見だからです。

クライマックスは、心を震わされる。

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2008年3月17日

鏡の中の物理学


ノーベル物理学賞受賞者である朝永振一郎の「鏡の中の物理学」を読んだ。第一刷発行は1976年で古い本である。数学を専攻していた友達に、「量子力学」について教えてと言ったら、これを読めば、と言われた。

量子力学がなんであるかもわからないので、量子力学がなんであるか聞いたのだが、これを読んで、量子力学がなんであるのか、なんとなくわからないことが、わかった。

おそらく、どこかで専門に学んだ方でないと、「wikipedia」や「はてなダイアリー」を読んでも??だろう。

ただ、この本を読めば、?の数は減るでしょう。解説も併せて読むと科学に対する理解が少し深まるかも知れません。たったの131ページ。週末だけで読めてしまいます。

本書は、物理を専門としない一般向けに書かれおり、最後の章の裁判仕立ては面白い。オススメです。

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2008年3月14日

理由

宮部みゆきの「理由」を読んだ。現代日本人が抱える心の負が複雑に入り組んで、様々な形で水面下で巨大化していく。現代人のこころをリアルに描いているだけに、この小説の中の事件は、フィクションと単に割り切ってしまうには、想像力が足りていない。

電車のプラットホームで、帰り道の公園で、あるいは、職場のあのヒトは、なぜそこにいるのか、なぜ、あんなことしているのか、それは小説文庫本一冊分になるくらいの「理由」がある。

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2008年2月 9日

ねじまき鳥クロニクル

村上春樹著「ねじまき鳥クロニクル」を読んだ。へんてこなタイトルだが、最後まで読めばその意味はわかる。すごく面白い。そして、いつものように断片的にメタファーというのか、そのようなものが散りばめられている。

何かが起ころうとするとき、無関係な何かが回りくどい形で何かを知らせようとしている。そして、ことは順序よくは起こらないのだ。それを繋ぎ合わせをし、真実を知る勇気はあるか。

2008年1月29日

1973年のピンボール

村上春樹著「1973年のピンボール 」を読んだ。初期の頃の作品だ。春樹っぽいが、新人の緊張感のようなものを感じる。さらっと読んでしまい、内容が頭に入らなかった。ピンボールのブームはあっという間に終わってしまった。季節も変わる。そう、そのちょっと後な感じの小説です。なるほど、1973年のピンボール かなと。

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2008年1月26日

ノルウェイの森 -Norwegian Wood-

村上春樹著の「ノルウェイの森」を読んだ。大ベストセラー小説らしいのだが、どうしてそんなに売れたのかは、よくわからない。村上春樹のいろいろな小説を読んだが、ここに彼のテーマの原点のような共通性は垣間見られる。生と死についても描かれており、物質的な世界と精神的な世界の往来が、20世紀の高度成長時代の資源消費型経済社会の象徴と、環境汚染や温暖化などその代償を支払う21世紀の予測のようなアナロジー(類推)を感じたのは、自分だけだろうか。

上巻は、片山恭一の『世界の中心で、愛をさけぶ』に抜かれるまで、日本における小説単行本の発行部数歴代1位であった。『世界の中心で、愛をさけぶ』が映画化やドラマ化などの他のメディアによる相乗効果の結果としてベストセラーになったのに対して、この作品はそういう相乗効果とは全く無縁であったのにもかかわらずベストセラーとなった。


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2008年1月13日

犯人に告ぐ

雫井脩介著「犯人に告ぐ」を読んだ。第7回大藪春彦賞受賞作で、豊川悦司が主演の映画化されているミステリー小説。事件解決までの展開も面白いのだが、その主人公が背負う重荷とそれを支える家族の様子が伝わってくる。映画も見たが、こちらも面白い。

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2008年1月10日

ALWAYS続・三丁目の夕日

おとうちゃん、夕日が目に滲みるね。

映画を見て、ほのぼのできる。こんな映画って素敵だなという作品。映像のこだわりが随所に見られ、すごかったり、懐かしかったり。また、役者の演技も見所満載。お奨めです。

2008年1月 3日

東京タワー

江國香織著の東京タワーを読んだ。黒木瞳と岡田准一が出演で映画化もされている。恋愛小説。
純文学をあまり読まないので混乱した、というよりさらっと読んでしまいそのまま読みきってしまった。また、時間を見つけて、江國香織の小説を読んでみたい。

恋はするものじゃなくて、
落ちるものなんだ。

ストーリー

2007年12月28日

東京奇譚集

村上春樹著の短編集「東京奇譚集」を読んだ。奇譚とは、珍しい伝承・不思議な話という意味だそうだ。どれも感心しながら読んだのだが、終わってみると何が書いてあったのかなというそんな小説です。待ち合わせの時間つぶしなどにいいのでは?

2007年12月25日

沈まぬ太陽

山崎豊子著「沈まぬ太陽」を読んだ。正義感を持った一人の男を巨大な組織が保身と権益を巡って追い込んでいく。自分自身も家族をも犠牲にして正義を貫いた男の魂の物語だ。実話を元にして、小説として再編成されているだけに、内容が生々しい。全5巻だが、あっという間にストーリーに引き込まれていく。読むべし!!

2007年12月 2日

走ることについて語るときに僕の語ること

村上春樹が自分自身について、走る職業小説家として綴られている。多くのとても大事なことがここにしるされている。そして、明日から走りたくなるエッセイだ。

日々走ることは僕にとっての生命線のようなもので、忙しいからといって手を抜いたり、やめたりするわけにはいかない。もし忙しいからというだけで走るのをやめたら、間違いなく一生走れなくなってしまう。走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。暇をみつけては、せっせとくまなく磨き続けること。

2007年11月24日

蒲生邸事件

宮部みゆき著「蒲生邸事件」を読んだ。蒲生邸事件というとイカツイ印象を受けるが実在した事件ではなく、しかも現代からタイムトリップしちゃうSF小説でなんだが、それがそれが。二.二六事件を題材としていて、日本史で黒字で登場するので、認識してはいたが、どんな内容で、それがその後の日本にどんな影響を与えたかなんてことは、小学生や、中学生、高校生だった自分の関心の外であった。

タイムトリップした主人公は、この事件を目撃して、「その瞬間、その瞬間、悔いのないように生きる」ことを知り、現代に帰る。運命っていうものがあるかも知れない、歴史は変わらないかも知れない、決められたレールを走るだけかも知れない。だけど、そのレールから逃げずに生きることを描いた熱い小説だ。

「過去を過去であるという理由で差別しない態度」

あとがきから


先日、ある講演を聴きに行って面白い文章を紹介していた。

「人の実行より自分の理論の方が優れているといつも批判する愚か者がいる。」

「世の中には一切の批判を免れる幸せ者がいる。それは何もしない者だ。」

2007年11月 1日

華麗なる一族


山崎豊子の「華麗なる一族」を読んだ。全三巻。面白い。キムタクと鉄平兄さんがダブり、悲壮感が漂う。一見華やかな一族だが、一族の繁栄を願う閨閥の拡大が結局誰も幸せにならないそんな話しだ。最後に鉄平の親友の三雲が孟子の言葉を万俵大介に放つ言葉はこの物語を象徴している。

「天下を得るには 一不義をなさず 一無辜を殺さず」

天下を得るには、ひとつの不義もなさず、一人の罪なき者も殺してはならないという意味である。

2007年10月 8日

HEROを観てきました

キムタクのHEROを映画館で観てきました。連休で子供がいっぱい居たので、よくわからないところで大爆笑している。そんなに面白か?と思って子供らのツボには疑問だったが、映画は結構面白かった。映画では地味な作業でも諦めない姿が描かれており、仕事をがんばろうっと勇気の出る映画かなというのが個人的感想です。

2007年9月 8日

今夜 誰のとなりで眠る

唯川恵の「今夜 誰のとなりで眠る」を読んだ。直木賞を受賞作でドラマされている「肩ごしの恋人」を読んだ時も思ったんだが、読者を引き込むのがうまい。どちらかというと社会派?な自分はこういう小説はちょっとと思うのだが、面白い。

「自分を批判してくる相手を無視して、自分を愛してくれる人だけを認めるのは傲慢だ」

先頭に立つ勇気、
本質を捉える知、
他者を感じる力。

この3つを兼ね備えらえるよう、日々努力したいものだ。

2007年9月 6日

グレイブディッガー

江戸川乱歩賞作家のグレイブディッガーを読んだ。面白い。まるで映画を見ているような描写力だ。表紙カバーはいかついが、中身は目くるめく展開で、あっという間に読めてしまうエンターテイメント・スリラーだ。

秋の夜長にいかがでしょうか。

2007年8月14日

グラスホッパー

井坂幸太郎のグラスホッパーを読んだ。巻末の解説によるとハードボイルドに分類されるそうだが、他の作品と比べてポップ感はなく、闇へ闇へと引きづられていくような人々を描いた小説だ。グラスホッパーとはバッタのことだが、作品内でバッタの中でも集団で暮らすバッタは凶暴になっていき、人間も集団で暮らすと競争が起こり争いが絶えなくなる、そういう環境で育つから凶暴だなんて節がある。ある深夜番組では、集団生活するコオロギと、単体で生活するコオロギをコオロギ相撲させたところ、一人で生活していたコオロギはより凶暴な性格になり、人間と一緒ですね、なんてどこかの学者が説明していたが、人間はどの道、凶暴なのだろうか。平和な生活を夢見ることは人間のエゴなんでしょうかね。

2007年8月 8日

ダ・ヴィンチ・コード

今更?って感じなんだが、かりてるので早く返さなきゃ、返さなきゃと思いつつ今日を迎えてしまった。ダ・ヴィンチ・コードを読んだのだが、上中下3巻にするのは完全に商業路線だなぁと、まぁ買ってないからいいんだけどね。この小説が話題になる前に読んだら結構驚くんじゃないだろうか。どういう驚きかは自分の想像を超えるものなのでわからないが、そんな気がする。読み物として、展開も早く非常に読みやすい。今更読む価値もあり?かな。

2007年7月21日

燃えよ剣

司馬遼太郎著「燃えよ剣」を読んだ。新撰組土方歳三の話だ。新撰組を強くすることのみを目的とした人生だ。その先に何かあるわけではない。ただそれだけだ。しかし、時勢の中どんどんと劣勢に立たされる。心が折れることなく最後まで自分を貫き通した男の話で興味深い。

2007年7月16日

海辺のカフカ

村上春樹著「海辺のカフカ」を読んだ。村上春樹らしい作品で、特に下巻は展開も早くかなり面白い。「メタファー」が連発して出て来るがそもそも「メタファー」ってなんなのかつかみ所がない。

想像力のないところに責任は生じないかもしれない

自分は2年間ジャマイカで過ごしたが、職場のジャマイカ人は想像力をかなり欠いた。ここでいう想像力はより実現可能な想像力のことで、他力本願的な想像力はジャマイカ人の得意としたところである。まぁ、現在の自分のまわりでも想像力がある人はそうはいない。先頭を走る勇気を手に入れたいものだ。

2007年6月25日

チルドレン

井坂幸太郎著の「チルドレン」を読んだ。あいかわらず、思わず噴出してしまうようなウィットに富んだ文章で、それでいてハートフル。著者はよく「現実離れしてしまったが、、」とあとがきに書いているが、現実に近づけたら面白くなくなってしまうことのほうが多いと思われる。今後もこんな楽しい小説が出版されるとよいなぁ。

2007年6月10日

国境の南、太陽の西

村上春樹著、「国境の南、太陽の西」を読んだ。自分に何かが決定的に欠落していていて、それが何だがわからない。それを埋めるという目的だけに、空に浮かぶ雲を目指してただ上り坂を登っていくだけという人生もあるかもしれないな。

毎日畑を耕すロシア人の農夫。ある日突然その男の何かが失われて、畑を捨てて、太陽を西へ、西へ進む。太陽の西には何もないのに。

国境の南には、「いずれ」があるかもしれない。太陽の西には「いずれ」はない。

2007年6月 7日

坂の上の雲

司馬遼太郎著「坂の上の雲」を読んだ。正しくは、まだ、あとがきを読んでいない。全8巻で読破に3ヶ月を要してしまった。いや、この小説はもっとゆっくり読んだほうがいいのかもしれない。

もし、日露戦争で敗れていたら、北海道はロシアのものになっており、そうすると今の自分はない、あるいは今の日本の姿はなかったかもしれない。ロシアの帝国主義的南下から日本を守るため立ち上がった男達のストーリーである。

付属的ではあるが、リーダーとは、上司とは、時の運とは、戦争とは、などそこには今も昔もかわらない興味深いトピックが描かれている。

2007年5月 5日

The Pursuit of Happyness -幸せのちから-

ウィルスミス主演の幸せのちからを見た。なかなか面白い。見ていて勇気がでる映画だ。あんまりコメントが思い浮かばないが、とにかく面白かったので、ブログに載せてみました。是非見てほしい映画です。

ちなみにHappynessはわざとスペルミスです。

オフィシャルサイト

2007年5月 2日

ネバーランド

恩田陸著のネバーランドを読んだ。高校生の寮生活で起る学園ものだ。自分は寮生活は人生で2度経験しているが、いづれも学園ものではない。いわゆる大人になってからなんだが、団体生活はうざったくもあるが、何か暖かくもある。寮生活を共にした仲間は今でも寮で経験した珍事件が酒の肴になる。このネバーランドは4人のいろいろな事情を抱えた高校生の話だが、正直言って面白い。250ページ前後なので、あっという間に読めてしまう。DVDにもなっているようだ。

2007年5月 1日

スプトーニクの恋人

友人のSJに借りた村上春樹著の「スプトーニクの恋人」を読んだ。昔から自分は理屈っぽい性格だが、村上春樹の小説を読んだ後は最大級に理屈っぽくなってしまう。理屈っぽい小説はわけが分からないのだが、正直自分は理屈っぽい小説が好きなようだ。いろんなことを考えたり、試したりした結果それが元通りに戻ってしまったとしても、そこには迷いがなく強くなれんじゃないかなと自分は考えている。今手元に小説がないから、そのままの文章を引用することが出来ないのがとても残念だ。(SJから借りた小説をジャマイカに無断寄与しちゃいました(笑))

たぶんこんな感じ
「人が考えた大きな理屈を理解するより、小さな理屈を自分で考えたほうがいい」

「自分が物事を考えるには、まずどこまでを理解しているのか、文章にしなくてはならない性格だ。
とても面倒くさく、時間がかかる作業だが、これをせずには先には進めない。」

千里眼 -ミッドタウンタワーの迷宮-

松岡圭祐著の千里眼シリーズを読んだ。あのミッドタウンが舞台になっており(まだ行ったことはないのだが)、また背景が最近のことで驚かされる。本の表紙のデザインはどうかと思うんだが、この作品はまるで漫画を読んでいるように読めてしまうエンターテイメント本だ。かなり面白くスリリング満点だ。さすがシリーズ400万部を売るヒットシリーズだなぁと感心している。

2007年4月27日

99%の誘拐

岡嶋 二人著の「99%の誘拐」を読んだ。5ヶ月前に買った本をようやく読んだわけだが、買った本をそのままにしておくとういうのは、なんとなく後ろめたい。これですっきりです。犯人の視点から描かれたストーリーで読者は主人公だけに犯人を応援してしまうわけだが、どんな理由があるにせよ、犯罪はいけません。展開がスピーディで読みやすいミステリー小説です。

2007年4月 9日

フィッシュストーリー

友人のSJが伊坂幸太郎著の「フィッシュストーリー」を貸してくれた。相変わらず小気味のよいユーモアは健在で笑える。本編とは関係ないが、この小説で「準備」という言葉が印象に残った。誰もがその準備に疑問を感じるかもしれないが、本人はその時が来るまで黙々と準備を続ける。その時が来るかもしれないし、来ないかもしれない。だけど、僕も準備をしていたいなと思う。そういう努力は惜しくない。

2007年4月 7日

坊ちゃん

夏目漱石というと何やら高尚な文学という印象があったのだが、どうやら誤解をしていたようだ。小学生の時に「我輩は猫である」を読んだのだが、小学生にその面白さは理解できなかったのだと思う。

さて、「坊ちゃん」なんだが、これはコメディだ。主人公坊ちゃんの一人ボケ、一人ツッコミを怒涛のごとく繰り返し、痛快なエンディングを迎える。なるほど、夏目漱石という人は後世に名を残した作家なんだなぁとしみじと思った。200ページ前後なので、読みやすく、少なくても2,3回は笑えます。

2007年3月 2日

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

村上春樹著の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読んだ。

平穏が欲しいか。平穏が欲しければ、心を失うしかない。期待がなければ、失望もない、絶望もない。悩みもない。静寂・平穏な毎日が送れるのだ。そのためには、心に高い壁を作ってこころがブレないようにしていかなければならい。もしあなたなら、心のない平穏な日々を選びますか、それとも期待と欲望と、そして絶望の断続的、ジェットコースターのような毎日を選ぶだろうか。

2007年2月15日

竜馬がゆく

実はこのサイトのドメイン名はeditorgoes.netなんだが、サイト立ち上げ当初、いろんな人の交流の場にしようとある人にコラムの掲載依頼をしたところ「編集長」と言われたのと、また、先輩からその時自分がしようとしていたことを坂本竜馬に例えて激励してくれたので、その激励に応えられるようにと命名した。その頃「竜馬がゆく」も読んだことがなかったし、坂本竜馬をあまり知らなかった。そして、その4年後の昨日読み終えた。田舎うまれの、地位も学問もなく、ただ一片の志のみを持っていた若者、坂本竜馬という一人の人間が持っている魅力がどのように歴史に参加していくのか。

読むべしっ!!

全8巻

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2007年2月11日

ナイロビの蜂 -The Constant Gardener-

久しぶりにいい映画をみた。悲しい音楽と主人公の悲壮な思いがじわじわと伝わってくる。アフリカの大地を舞台に大きな陰謀に立ちはだかった妻の軌跡を追う。ラブストーリーとは別の視点で、商業路線に乗せなければ持続可能な社会や援助の実現は困難である感じている。この作品では、草の根で頑張る側と、大きな組織とそれを利用した側を描いている。

ナイロビの蜂 -The Constant Gardener-

2007年2月 2日

5分後の世界

村上龍著「5分後の世界」を読んだ。著者自身が最高傑作と位置づける作品で、とにかく強烈だ。実は、先にこの続編であるヒュウガウィルスを読んだのが、どちらもすごい。展開が早く一気に読めてしまう。戦い続け、表現し続けるもう一つの日本がそのパラレルワールドの中に描かれている。自分も踏ん張ろうという力が沸いてくる。

2007年1月20日

陽気なギャングの日常と襲撃

伊坂幸太郎著の「陽気なギャングの日常と襲撃」を読んだ。映画化された「陽気なギャングが地球を回す」の続編だ。普通、小説を読むと何か哲学的で小難しい。人間関係や難しい背景を理解してはじめて、大きな感動や発見を得られるものだが、この小説は単純明快、かつユーモラスで読書をしていて、「ぷっ」っと噴出しそうになる。そんな小説だ。気分爽快にして、元気がでる。

誰かが言った。
「なにはともあれ結婚しなさい。良い妻を得た者は、幸福になれるし、悪妻を得たら、哲学者になれる。」それってソクラテスじゃねぇ?

2007年1月16日

壬生義士伝

浅田次郎著「壬生義士伝」を読んだ。才能に恵まれ、勉学、剣術に励み続けたその才能を認められても、その見返りもなく貧困に家族が苦しんでいく。出生、超えられない身分の差、その時代の理不尽、そのような環境の中でも自分の義を貫く主人公の生き様には号泣ものです。全2巻。

映画化されていて見てみたが、この内容を2時間以内で収めるのはちょっと無理があったかも知れない。南部弁の響きが耳に残る。

2006年12月30日

秘密

himitsu_higashinokeigo.jpg東野圭吾著の「秘密」を読んだ。広末涼子主演で映画化されている。娘を持つ父親の微妙な心境を描いた作品ともいえる気がする。娘を持つ父親はこんな感じなんだろうか。お父さんは大変だ。

2006年12月28日

蒼穹の昴

sokyunosubaru.jpg浅田次郎著の「蒼穹の昴」を読んだ。自分にとってとても大切な小説になった。感動したというだけではなく、自分の人生の指針になるようなそんな小説だ。全4巻

2006年12月 9日

手紙

tegami_higashinokeigo_.jpg東野圭吾著「手紙」を読んだ。人は必ず誰かと繋がっている。皺寄せが誰かに押し寄せて一生差別されて生きていかないといけない人生もある。犯罪は罪を犯した本人だけではなく、その家族にも影響が及ぶ。

「兄貴、どうして俺達、生まれてきたんだろうな」

加害者とその加害者の家族を描くストーリーです。

映画「手紙」の公式サイト

2006年11月26日

オーデュボンの祈り

audyubon_isakakotaro.jpg井坂幸太郎のデビュー作。ユーモア溢れるとまではいかないが、何気ないやり取りが面白い。

この小説には桜とカカシが超越的に存在している。人間が犯してしまう過ちが繰り返されないようにというオーデュボンの祈りは届くのだろうか。

桜は言った。
「動物を食って生きている。木の皮を削って生きている。何十、何百の犠牲の上に一人の人間が生きている。それでだ、そうまでして生きる価値のある人間が何人いるか、わかるか」

答えは「ゼロだ。」

2006年11月18日

地下鉄に乗って

metroAsadajiro.jpg浅田次郎著の「地下鉄(メトロ)に乗って」を読んだ。感想は泣けた。いい物語だったよ。最近読んだ「流星ワゴン」もそうなんだが、若いころの親父に会ったらどんな感じだろうって思う。母親との出会い、自分の出産。今の自分がもしその場に立ち会うことが出来たなら自分が生まれてきた意味や、これからどうすべきかなんてことが見えてくるのかもしれない。そんな小説だ。

近くの映画館でたまたまこの小説が映画化されたものが封切りになったので衝動的に行ってしまった。これまた泣けた。小説で流し読みしてしまったところが鮮明に情報として入ってくる。細かい空気のやり取りが伝わってくる。小説を読んでから見たほうが面白いんじゃないだろうか。別の視点でこの映画の良さは、音楽だ。小林武史プロデュースでSalyuの歌声が心地よくもあり、悲しく胸に響いてくる。

もっと詳しく浅田次郎「地下鉄に乗って」


もっと詳しく映画「地下鉄に乗って」

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