2009年1月11日
むかし僕が死んだ家
2008年一番躍進した作家、東野圭吾の「むかし僕が死んだ家」を読んだ。誰もが抱えていそうな秘密にフォーカスを当て(実際は誰もが抱えているわけではないが)、それを事件のナゾに迫るような臨場感で読者を引き込む手法はさすがだなと唸らざるを得ない。面白い小説だ。
テーマは「むかし僕が死んだ家」だ。誰もが昔の自分の全てを肯定できるわけではない。忘れて記憶の遠くに押し込み、そうやって大人になっていく。逆にそうしなければ、うまく社会には溶け込めないのだ。遠い昔を思うと今こうしていられるのは、いろいろな荷物を置いてきたからであり、これからも新しい荷物を抱え、古い荷物を置くという作業を繰り返すことになる。
だとしたら、ミスチルの「GIFT」に出てくるフレーズはかっこいいし、胸を打つ。自分的には、2008年のベストソングだ。
♪♪
知らぬ間に増えていった荷物も
まだなんとか背負っていけるから
君の分まで持つよ だからそばにいてよ
それだけで心は軽くなる
♪♪
- by editor
- at 18:52
編集長のおすすめの一冊!2010
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