Search

  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2008年10月18日

流動性の罠とは

スウェーデン王立科学アカデミーは13日、08年のノーベル経済学賞を米国人でプリンストン大学のポール・クルーグマン教授(55)に授与すると発表した。自由貿易とグローバル化による影響を説明し、貿易理論を刷新したことが授賞理由

出典:毎日jp

今年ノーベル経済学賞をポール・クルーグマン教授は、1990年代の日本の異常な経済情勢を研究対象にして、その状態を「流動性の罠」に陥っていると指摘した。10年以上も前に大学の経済学原論でたしか、「流動性の罠」について説明せよという問題が期末試験の問題で出た気がした。あのときは、IS曲線だかLMだかグラフを使って教科書どおりな回答をしたのを記憶しているが、実際のところ、「流動性の罠」なんて全く理解できなかった。そもそも「流動性の罠」ってなんだろうか、調べてみた。


一般的にお金を増やしたい場合どうしますかと質問したらどのような回答が考えられるだろうか。

1.パチンコに行く
2.競馬、競輪、ギャンブルに行く
3.株式投資・投資信託をする
4.債権を買う
5.外貨預金をする
6.定期預金をする

たぶん、「6.定期預金」をするが日本で一番多い回答になるだろうか。ここで6と答えても現実の利子率(2008年の日本で、だいたい0.6%/年とか)で本当に定期預金するだろうか。もっと高い利子が欲しい場合は、100万円以上で、1年以上とかいう制約がある。そうすると預けた100万円は1年間は使えないお金、別の視点でいえば、銀行にお金を貸したことになる。したがって利子は預金の対価ではなく、いつでも使える便利さ(=流動性)を手放す対価となる。

では、この利子率がちょっと前の0.1とかになったら、いったい誰が定期預金をするだろうか。もっといえば、いつでも使えない上に、利子もほとんどない債権を買う人など居はしまい。このような状況で流動性の罠が起きる。

流動性の罠

利子率がある水準まで下がると,人々はこれ以上は下がらないだろうと予想して現金を持とうとするため,いくら貨幣供給を増やしても利子率はそれよりも下がらなくなること。

goo辞書

こうなると利子率を下げる目的で、貨幣供給を増やし、経済を刺激しようとする金融政策の効果は疑問だとうことになる。

ノーベル経済学賞の授与が決まったポール・クルーグマン氏は、バブル崩壊後の1990年代にデフレ不況が長期間続いた日本経済を分析し、「インフレ目標」の導入による景気回復策を提示するなど日本の経済政策にも大きな影響を与えた。

出典:毎日jp

所得を消費せず、節欲して貯蓄しても、現金のままで保有していれば、利子はつかない。それでも現金で保有することがあるのは、現金が債券よりも高い流動性を持つからである(流動性選好)。しかし他方では、その現金を手放して貸し付けること(債券の購入)によって利子を得ることができる。したがって利子は節欲の対価ではなく貨幣保有の便益(=流動性)を手放す対価となる。

債券の値上がり(利子率の下落)を予想する強気の人は、現金を手放して債券を購入しようとし、逆に債券の値下がり(利子率の上昇)を予想する弱気の人は、債券を売却して現金を保有しようとする。強気の人の力が強いと債券は値上がりする。すると強気の人の中から弱気に移る人が増え、結局、強気・弱気の均衡するところで債券の値が決まり、それによって示される利回り、即ち短期利子率が決定する。これが流動性選好による利子率決定論である。こうして決まった利子率が、貨幣の流動性を人々が手放すために必要な利子の水準である。したがって、貨幣の流動性は、貨幣の便益-交換可能性と安定性と、それらをもとにした投機性を合計した便益であるということができる。

流動性の罠

債券価格の上昇(利子率の下落)が極端であると、人々は債券の値下がりを予想して、貨幣で資産を保有するようになり、貨幣供給が増しても、貨幣保有が増すだけで、資金は債券購入に回らず、市場利子率はそれ以上低下しようとはしなくなる。

これを流動性の罠という。ケインズはこのことを、「ジョン・ブルはたいていのことは我慢するが、2分の利子率には我慢できない」という言葉を引いて、市場金利には下限があることを示した。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』




Bookmark and Share


編集長のおすすめの一冊!2010

comments

comment form

(BLOG Tokyo にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

comment form