2008年2月21日
アメリカンドリーム
アカデミック木曜日です。行ってきました「ものづくり寄席 in 丸の内」 テーマは、
「ものづくりを諦めたアメリカ、マーケティングの出来ない日本」
70~90年代、アメリカは日本の製造業の猛烈な追い上げにあって、逃げ場を探した。BRIC諸国の追い上げによって、今、日本は同じような立場にいる。製造業志向の『ものづくり』から変身しなければ、日本に未来はない。
日本の製造業は優秀だが、ブランド力では欧米のそれの優位は変わらない。せっかくいいものを作ってもブランド力で負けてしまっては、あまりにももったいない。技術本位の日本だが、その技術ですらBRIC諸国に追い上げられている。ブランド力は見えないものである。しかし、その見えないものに投資する長期的なマーケティング戦略が必要なのである。
ものづくりを諦めたアメリカ
(その背景1)
2006年のアメリカ西海岸、内部の砂漠地帯は停電が続いた。一方海岸部では、町行く人々は外で半袖、しかし常に長袖を持ち歩く。なぜなら、図書館や、カフェなどの建物内は、空調で凍てつくような寒さだからだ。
この矛盾は...
(その背景2)
トイレのゴミ箱。トイレには、手洗い後のペーパータオルが常備されている。学生は1メートルくらい取って、ちょっと手を拭いて捨てる。そうするとゴミ箱は2時間もすれば、あっという間に満タンになってしまう。その為、3時間おきにトイレのペーパーゴミを回収するおじさんがやってくる。
このもったいなさは...
(その背景3)
ゴミの分別。そもそもアメリカはゴミの分別なんて存在しない。缶だろうが、ビンだろうが、プラスチックだろうが、生ゴミだろうが、一緒にして、映画でよく主人公が逃亡に使う、あの滑り台のようなダッシュシュートにポイ捨てして、一階にある集積所に「ガッシャーン」と無造作に投げ捨てられる。
この違和感は...
しかし、この矛盾や、もったいなさ、違和感があるのは、自分が日本に育ったわけで、そもそも生まれたときからこの環境だったらどうだろう。これがアメリカの裕福の象徴なのか、それともこの環境が強いアメリカを育てているのだろうか。
アメリカンドリームとは
こんな背景をもつアメリカ人にとってのアメリカンドリームとは何か。それは、
「最小限の労力とインプットで最大限のアウトプットを得るために合理性を賢く追求すること」
ものづくりのように生産現場で些細なカイゼンを積み重ねるより、金融工学(保険や投資信託)などでがっぽり儲けるのがアメリカで、GE(General Electric)は、もともと家電メーカーだが、あんまり儲からないので、本業といえど、あっさり手離してしまう。現在の収益の半分以上は金融業らしい。
リターンの少ないことはやらずに外注
そして
出来ないのではなく、やりたくないのだ!!
アメリカはすっげー国なんです、いろんな意味で。
一方、日本のものづくりは強い。
では日本のサービス業は。。
コスト効率が悪く、その生産性は米国の60%-70%言われ、その原因は「規制に守られた競争の無さ」が一番の原因と言われている。思えば、日本の旅館のサービスは最高だと思うが、フォーシーズンスやヒルトンなど世界的に展開している外資はあるが、日本の旅館が世界チェーンを展開していることはない。シェラトンなんかは、中国の奥地にもある。
日本が今後、BRIC諸国の追い上げから逃げ切るには、ものづくりの概念をサービス業にまで拡張する必要があるだろう。そこで出てくるのが、「マーケティング」だ。
長くなったので、とりあえずここまで。 つづく。。
- by editor
- at 21:58
編集長のおすすめの一冊!2010
comments