Search

  毎日にもっと楽~を! BLOG Tokyo

2012年7月17日

Newcastle Universityのファンドレイジング

先日Newcastle Universityで12年間ファンドレイザーをやっていて、Major Giftを担当している方に会いました。小さな部署で16人のスタッフのうち、3人はファカルティ(教員ですね)、ファンドレイザー・アラムナイ担当が8人、データベース担当5人で構成されています。データベース担当は、一人が入力担当、二人がデータベースアナライザー(分析する人ですね)、一人がプログラマーだそうで、外から購入したものではなく、インハウスで開発したものだそうです。

Factsとしては、卒業生の寄付率は2%程度で、この数字は英国のスタンダードとのことで、よくやっていると言われているのが、僕も以前訪問したことのあるBristol大学の6%です。

フィランソロフィ戦略について
お会いした方は、Major Giftからプランニングまでを担当するエースで、彼のコメントは経験が裏打ちされているもので非常に勉強になりました。僕の質問は、オーバーオールのもので、フィランソロフィ戦略はあるかとかそういうものでしたが、現実的には、駆け込み案件とフィランソロフィ戦略は常に一致するものではなく、チャンスがあれば行く以外の道は選択しづらく、学内のコンセンサスと寄付の位置づけは、正攻法のファンディング(国や地方自治体などのグラント)と「何かを実現する」ための総コストのギャップを埋めるものだとしているのは、その通りだ、と大きく頷いた。

アラムナイと係わりで工夫していることがあるか
学生インターンで、在学中にファンドレージングの仕事に携わってもらっている。卒業生も在学生からの電話はうれしいし、大学としてもフィランソロフィにもなる。年3,4回電話での寄付のお願いをやってもらっているらしい。言うのは簡単だが、やるのは難しいです。進んでいるなぁと思いました。
またアラムナイギビングプラットフォームを立ち上げ、寄付した動機やそのリアルストーリーを蓄積、公開しているそうです。遠回りのようだが、これが答えで、メッセージとストーリーがあれば、「人は動く!」と力強く言っていました。

そうだ、そうだ、まったく賛成。ただこれは長期的な視野で、地道に辛抱強く、結果を待たなければなりません。結果が寄付金額で数字で出てしまうこの世界で、短期的な結果を残しつつ、長期的な地道な作業の重要性を認識し、そのデータベース整備にまとまった投資をできるか、そしてきちんとそのデータを残し、活用できるか、とても経営的な判断が必要です。結果が出なくてもチーム全体でこの意識を共有できるか、とても難しい課題だと思いました。

潜在的Major Donorはどのように見つけているか
Prospecting for Goldというサービスを使っているらしい。

プロファイルシステムを使っていますか、もしYESならば、どのような属性で判断していますか。
住所、ボランティア、イベントの出席回数によりスコアリングしているとのこと。

紙媒体プロモーションからオンラインに完全移行しますか
スチュワードシップとは、最終的にはどれだけパーソナライズできるかということで、大事な顧客が紙を望むなら、紙で、そういうものと割り切っているそうだ。若い人でも紙を望む人も多いし、費用対効果というよりは、スチュワードシップの観点から判断しているように思えた。また、紙媒体の不達が住所更新に役立つかも聞いたが、それも役立つが、住所更新という観点で一番効率がいいのは、イベントの実施だと言い切っていた。きっと、この大学は、イベントのやる意味をチーム全員できちんと共有できている強い組織なんだろうと感心した。



Bookmark and Share


編集長のおすすめの一冊!2010

comments

comment form

(BLOG Tokyo にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

comment form